CP工法研究会
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電気防食工法とは
What is a cathodic protection method?
電気防食工法

 電気防食工法は,コンクリート中にある鋼材の腐食が電気化学的反応であることに着目し,鋼材が腐食する際に発生する腐食電流を電気の供給によって 断つことで腐食を停止させる手法です。電気防食工法の特徴を以下に示します。
・厳しい腐食環境にある鋼材の腐食を停止できるため,塩害,中性化が進行した構造物に有効です。
・電気の供給は,コンクリート表面からコンクリート内部の鋼材に向けて継続して行います(図-1)
・コンクリート表面から電気を流すためには,電極,配管材および通電状況を管理するための電源装置など,電気設備が設置されます(図-2)。また,この電気設備は,長期間にわたって維持する必要があります。
・電気防食工法は,コンクリート表面から電気を供給する方法の違いで2種類に大別され,外部から電気を供給する「外部電源方式」と,コンクリート表面に設置する金属(亜鉛やアルミなど)とコンクリート内部の鋼材(鉄)との金属固有の電位差によって電流が供給される「流電陽極方式」があります(図-3)。外部電源方式は,鋼材の腐食状態に応じて供給する電流量を調整できるため多様な腐食環境に適合します。流電陽極方式は,電流管理が不要かつ電気料のかからない方法です。
・電気防食工法は,防食電流の供給方法や陽極材の形状,陽極システムの設置方法などによって選択できる多様な方式があります。(表-2)

図-1 電気防食工法概要図
図-2 電気防食工法の設備
  • 直流電源装置(筐体)

  • 直流電源装置

  • 陽極設置状況(線状陽極方式)

  • 線状陽極設置状況(アップ)

  • 配管材と接続箱

  • 流電陽極方式

図-3 外部電源方式と流電陽極方式

外部電源方式

流電陽極方式

※土木研究所, 東北大学, 日本エルガード協会, コンクリート構造物の電気化学的防食工法研究会, 電気防食工法を用いた道路橋の維持管理手法に関する共同研究報告書 —電気防食工法の維持管理マニュアル(案) —共同研究報告書, 整理番号第501, pp.6-10, 2018年7月を基に改変転載

表-2 電気防食工法の分類
防食電流の供給方法 陽極材の形状 陽極システムの設置方法 会員会社の保有工法名
外部電源方式 面状 外部設置 チタンメッシュ陽極方式
塗布 導電性塗料方式(キャプロンコート方式)
溶射 チタン溶射方式
接着 チタントレイ方式
線状 埋設 チタンリボンメッシュ陽極方式
チタングリッド方式
PI-Slit方式
接着 線状陽極ユニット方式(TCユニット方式)
e-Cover・C方式
流電陽極方式 面状 接着 亜鉛シート方式
溶射 亜鉛・アルミ擬合金溶射方式
線状 接着 線状流電陽極ユニット方式(NAKAROD方式)
電気防食技術と施工事例の紹介